理数科の行事
コスモス理科実験講座「H30つくば宿泊研修~エネルギーについて学ぶ~」2018.8.2(木)~4(土)
毎年恒例の夏休みに行われる、様々なエネルギーの利活用について最先端の研究を行っている研究施設を訪問してエネルギーについて学ぶ2泊3日の宿泊研修。本年度は1年次・2年次合わせて20名の理数科生徒が茨城県内にある那珂核融合研究所・高エネルギー加速器研究機構・農研機構(食と農の科学館)・産業技術総合研究所 地質資料館を訪問し、見学・講義・実験などを通して様々な研究にふれてエネルギーに関する多くのことを学ぶことができました。
普段は入ることのできない施設を実際に訪問して研究者の方々から多くの説明を聞くことができ、参加した生徒にとってはいずれも非常に有意義な体験となりました。自然科学への興味関心をより深め、進路選択や日常の勉強への意欲も大いに高まる充実した研修となりました。
2日目の夜には本校卒業生を含む筑波大学の6名の学生さんとの懇談会を行い、大学生活や受験勉強などの貴重なお話を聞くことができました。
【主な研修日程】
8月2日(木)集合・開講式・出発/那珂核融合研究所/筑波大学・鈴木石根教授による講義
8月3日(金)高エネルギー加速器研究機構/中央農業総合研究センター・食と農の科学館/筑波大学の学生との懇談会
8月4日(土)産業技術総合研究所 地質標本館/帰校・閉講式・解散
コスモス理科実験講座「研究室訪問」2018.6.19(火)
【訪問先】東北大学大学院生命科学研究科(片平キャンパス)
植物生殖遺伝分野研究室 教授:渡辺正夫先生
本校独自の企画として、最先端の研究をしている研究室を訪問し、高度な施設設備を備えた大学の研究室で実験・実習などの体験ができる「研究室訪問」を行っています。
今年度は平成30年6月19日(火)に、1年次の「進路講演会(総合的な学習の時間)」や「東北大学 科学者の卵養成講座」などでもご指導をいただいている教授・渡辺正夫先生の研究室を訪問しました。 渡辺先生の研究室では、アブラナ科植物の自家不和合性における分子機構の解明や高等植物の受粉に関わる花粉・柱頭因子の遺伝学的解析などについて、様々な研究材料を用いて高度な分析を行っているとのことです。お忙しい渡辺先生でしたが、短い時間ながら生徒に対して丁寧に説明していただきました。
大学院生の方からも普段は見ることのできない実験機器などの説明もしていただき、高価な機器に実際にふれさせていただくなど、興味深い研究の様子をよく知ることができました。
さらに研究室所属の大学院生や技術員の方々から研究内容の紹介、学生生活の楽しさのお話を聞いたり、進路(受験!?)についてのアドバイスなどをいただいたり、参加生徒にとっては非常に貴重な時間となりました。
渡辺正夫先生、研究室の皆さん、ありがとうございました!
2年次「理数科出前授業(ミヤイチ☆キャンパスⅡ)」2018.5.21(月)
大学の先生を本校にお招きし最先端の研究について紹介していただく本校理数科独自の行事です。
今回の出前授業は「ミヤイチ☆キャンパスⅡ」として3年次に向けた選択科目や進路希望により「情報工学」「生命科学」の2分野に分かれて,国内でも最先端の研究をしているお二人の先生からハイレベルかつ興味深い講義を聞きました。
【情報工学系】
『言葉がわかる人工知能をつくる ~自然言語処理の挑戦~』
○講師:東北大学大学院情報科学研究科システム情報科学専攻・同 工学部電気情報物理工学科
○教授 乾 健太郎 先生
どうすればコンピュータに言葉を「教える」ことができるか、という問いを通じて、『言葉が分かるコンピュータ』を開発する自然言語処理研究の最前線について詳しく講義していただきました。
また、言葉を使いこなす人間の知能の不思議さや人工知能が社会に及ぼす影響など、様々な視点から考えることのできた貴重な講義でした。
さらには本校理数科を卒業し、東北大学大学院情報科学研究科で研究をしている赤間怜奈さん(平成24年度卒)からも研究の様子をお聞きし、理数科の先輩として高校生活や勉強についてのアドバイスもいただきました。
【生命科学系】
『神経生物学入門』
○講師:東北大学大学院生命科学研究科ゲノム継承システム分野
○准教授 小金澤雅之 先生
「神経生物学入門」と題して,神経生物学の基礎基本から最先端のショウジョウバエを用いた本能行動と遺伝子発現の関係について興味深い講義をしていただきました。
求愛行動に関する遺伝子の突然変異体では,雄が雌ではなく,同性の雄に対して求愛行動を取る様子を見て,衝撃を受けました。その様子を見て,遺伝子発現によるニューロン活性化と行動のコントロールが密接に関係しているということを実感することができました。
【生徒の感想より】
○まず「機械が学習すること」とは、というところから入り、とてもわかりやすく面白かった。自動翻訳の進歩などからAIの研究は進んだのだなあと思った。普段何げなくつかっているグーグル翻訳に対し、これまで不自然だなあと思っていたことも、以前よりはかなり進歩したのだと知り、これまでの研究のスピードで発達していくとしたらさらに便利になるのだろうと思う。私自身、今回の講義を受けるまでAIに対していくつか誤解していたこともあり、AIの「リアル」を知ることができてAIに対する興味がさらにわいた。いつかAIが私たちの「常識」を身につけて、私たちの生活にもっと身近なものになったら、私たちの生活に変化は生じるのか、そこからさらに世の中の常識にも変化は生まれるのか、ということが気になった。(2-7女子)
●私は生命科学分野の遺伝子学に興味があったので神経生物学という分野について学べてとても楽しかったです。同じ種のショウジョウバエでもたった1つの遺伝子がこわれてしまっただけでも見た目や行動において大きな変化を生み出すということを知ることができてよかったです。特に、fruitlessタンパク質によって温度や光の影響でもひとりでに求愛行動をしたり、同性同士で求愛行動をしたり、雌にP1ニューロンをもたせると雌に向かって雄型の求愛行動をするという結果の動画はかなり衝撃的でした。動画が多くあったことでとてもわかりやすく、生命科学・遺伝学についてさらに興味をもつことができました。とても有意義で面白かったです!!(2-6女子)
1年次「理数科オリエンテーション」
4月11日(水)、理科講義室において1年次の「理数科オリエンテーション」が行われました。前の時間に行事もあったため予定よりも短い時間になってしまいましたが、理数科に入学した6・7組の生徒80名が集まり、理数科生としての意識と自覚を改めてもつ機会となりました。
最初に理数部長の山田先生から「宮一理数科には、自分の力を広げ伸ばす『場』が多くある。主体的にどんどんチャレンジしてほしい」というあいさつがあり、続いて鈴木先生から本校理数科の目標や教育課程の特徴、理数科独自の特色ある行事や企画についての簡単な説明がなされました。
コスモス理科実験講座「研究室訪問Ⅱ~ミヤイチラボinうみの杜」
【訪問先】仙台うみの杜水族館
本校独自の企画として、大学の研究室や様々な研究を行っている施設を訪問して講義の受講・質問・見学などをする「研究室訪問」を行っています。
今年度2回目の今回は3月27日(火)に,1年次の「プロフェッショナルトーク@理数科」でもご指導をいただいた荒川美緒先生の御協力により仙台うみの杜水族館を訪問しました。 まず,研究職員の大谷さんから松島湾に生息するサンゴタツの生態についての学術的な講義をしていただきました。続いて荒川さんから水族館の意義や職員の業務について、また研究を続けているクラゲの生態についての講義を受けました。
さらに、普段は見ることのできない水族館の「バックヤード」も特別に見学させていただきました。ちょうど27日から観覧できるようになったスナメリをはじめ多くの水生生物の生態について学ぶことができ、水族館の社会的意義についても理解でき、参加した生徒にとっては非常に貴重で有意義な機会でした。
【生徒の感想より】
○今回初めて仙台うみの杜水族館に行くことができ、またバックヤードまで見学することができ、とてもよい経験になりました。講義①の大谷さんのサンゴタツの研究のお話を聞き、この宮城県にもタツノオトシゴが生息していることを知り驚きました。また、メスがオスの育児嚢を目で見てペアをつくっていることや、繁殖期が5~8月であることなど、2年次から始まる「課題研究」に活用できそうなお話もきくことができよかったです。講義②の荒川さんのお話では、水族館での仕事や役割などを詳しく聞くことができ、またクラゲの受精についてのお話を聞けてよかったです。バックヤード見学では、大水槽やイロワケイルカのプールが屋外にあることに驚き、獣医さんの仕事も少
し見ることができたり標本をつくったりエサを用意しているところを見たりすることもできました。今回の訪問はとてもよい体験になりました。(1-7女子)
○今回の水族館での講義や見学を通して水族館の仕事内容や施設設備について深く知ることが出来た。講義では水族館での仕事が接客や飼育生物の世話だけでなく環境調査や生物研究が含まれていることを知り驚いた。特に大谷さんの講義でのサンゴタツの繁殖についてが印象に残った。見学では、水族館の裏側の大変さを感じた。日々多くの水槽の手入れや世話だけでなく病気の生き物の治療、死んでしまった生物の解剖を通して死因を特定まで行っていることを知り、とても驚いた。そして、この見学で特に印象に残ったのは職員の皆さんの知識の多さである。自分の担当外の生き物のことであっても把握しているだけでなく、どんな質問にも素早く答えてくれる。また、その職員が何十年も水族館に勤めてきたベテランというわけでは
なく、また勤め始めて数年だということにも驚いた。
これらのことを今回の講義・見学を通して知り、水族館の飼育員という職についてとても興味をもった。(2-7男子)