理数科の行事

理数科1年次「プロフェッショナルトーク@理数科」2020.1.16(木)

 1月16日(木)7校時、理数科恒例のLHR企画として、自然科学に関連した分野での研究を現在の職業に生かし、各分野の「プロ」として社会において大いに活躍している4名の方を講師としてお招きしました。
 講師の先生方には、実際の仕事の内容ややりがい、関連する仕事に就くために必要なことや今後の「夢」などを熱く語っていただき、さらには生徒の質問もまじえながらの「トーク」を行っていただきました。
 理数科の1年生は4つの分科会の中から自分の進路選択に近い分野を希望・聴講し、職業(働くということ)への理解を深め職業観・進路意識を高めるとともに、自らの進路や学習への姿勢などについて改めて考える貴重な時間となりました。
 日々充実したお仕事を続けている講師の先生方、お忙しいところ素敵なお話をいただき本当にありがとうございました。

【薬学分野】大塚製薬株式会社 出来 加奈子 氏
    

【工学・建築分野】山下設計 谷口 太郎 氏
   

【生物分野】仙台うみの杜水族館 大谷 明範 氏
   

【医療・医工学分野】株式会社IFG 八島 建樹 氏   
        

《生徒の感想より》一部抜粋
○ 今回の講義を聞いて、意識が高まりました。高校生のうちからチャレンジ精神をもち、自身の強みを大切にしていきたいと思います。
○ 私は将来、人のために何かできることをしたい,救いたいので薬学部の道だけでなく他の医療の道も探ってみたいと思いました。どの道を選んだとしても決して容易ではないですが、最後まで諦めずに夢を追い続けたいと思いました。
○ 様々な世界を知ることは大切だと今まで何度か言われてきましたが、前の職での無関係だと思われる経験が今役に立っているという話を聞き、今自分が興味がなかった分野を知ることが大切だと思いました。
○ 渦電流をつくって脳梗塞や脳卒中後のリハビリに使う機械があり、グループの中で唯一体験出来ました。本当に「ビ!ビ!ビ!」と腕に来て、手先が無意識に少し動いたので、とても驚きました。また、医療工学はただつくるだけではなく知識を活かして東北大学の先生方にも協力をしてもらって新しいものを考えて、つくるという点が意外でした。
○ 私は将来の進路についてほぼ決まっていませんが、今回の講話を通じて様々な教科や職業などに触れたり学んだりすることが大切なのだと思いました。講話の中で、医療機器を作る上で必要となる物理が苦手だったと聞いて驚きました。前までは、就いた職業で使っている分野は、昔からずっと好きだからその分野が生かせる道に進んでいるのだと思っていたからです。でも、必ずしもずっと好きだったわけではなく、大学で学んだり自分で調べたりすることで更に深くよく知って、好きになって、なりたいものを決めていくのは大事な事だと思いました。

理数科2年次 課題研究 論文作成およびプレゼンテーションガイダンス

 12月17日および1月14日に,東北大学大学院生命科学研究科 准教授 酒井聡樹 先生を講師にお招きし,論文作成およびプレゼンテーションについて講義をしていただきました。

 酒井先生は高校生の課題研究に関する本を多数出版されており,2月の課題研究校内発表会および3月に行われる校内ポスター発表会ならびに県内4校合同課題研究発表会に向けて貴重なお話を聞くことができました。

 研究成果を聴衆の方々にいかに興味を持って聞いてもらえるか,また自分たちが得た知見をいかに論理立てて発表できるかなどを実例を元にお話しいただきました。これらの力は今後,課題研究以外の場所でも大いに活用を求められるものです。課題研究の時間を通して多くの力を身につけられる,それが宮一の理数科です。

プレゼンガイダンス(1/14)
論文ガイダンス(12/17)

 

理数科2年次 「理数科講演会」2019.12.11(水)

 12月11日(水)6,7校時に,東北大学大学院情報科学研究科の伊藤健洋准教授をお招きして,2年次「理数科講演会」(数学分野)を行いました。

 演題は「なぜコンピュータは速いのか? ~数学が支えるアルゴリズムのパワー~」です。

 様々な分野で活用されているアルゴリズム。一見,この言葉だけを聞くととても難しそうに感じるのですが,伊藤先生によるわかりやすい実例や興味深い演習などを通して,数学やアルゴリズムといった学問領域をとても身近に感じることができました。

 

~生徒の感想から~

 前半のお話しでコンピュータのアルゴリズムについて,はじめは難しい内容なのかなと思っていましたが,とてもわかりやすく教えていただけました。普段から使っているコンピュータやスマホも色々な人工知能やシステムが入っていて,すごいなぁと思いました。囲碁の人工知能がプロ棋士に勝利したことや,渋滞予測システム,アイボやパズルなどとても面白かったです。

 後半のお話の安全結婚問題についてのお話はすごく面白くて,どうやったらブロッキングペアができるのかなとか,安定したペアは男子or女子のどちらかが犠牲になってしまうので,やはり難しい問題なんだなと思いました。

 本日はとても興味深いお話をありがとうございました。

 

~生徒の感想から~

 私はこの講義の初めに,情報とは何かと問われたとき,改めて考えてみるとよく分からないものだなと思いました。またアルゴリズムという言葉も,時々耳にするけれど,意味はあまり知りませんでした。しかし,今日の講演を受けて,現代の膨大な情報を高速に管理して支えているのが数学だということがよく分かり,数学は面白いと思ったのと同時にもっと知りたいと興味がわいてきました。これまで数学は堅くて難しいばかりだと思って苦手だったけれど,これを機に積極的に取り組んでみたいと思います。

 講演の様子生徒達は熱心に聞いていました

理数科1年次「理数科講演会」2019.12.6(金)

【講師】 東北大学大学院理学研究科 地震・噴火予知研究観測センター 

     教授 松澤 暢 先生

【演題】 『地震と火山噴火-なぜ、どのようにして起こるのか-』 

 12月6日(金)6・7校時に理数科1年次生を対象にした「理数科講演会」を実施しました。今回は、日本の各地で頻発し社会的にも大きな関心を集めている地震・噴火のメカニズムについて専門的に研究していらっしゃる東北大学大学院理学研究科教授で地震・噴火予知研究観測センターの松澤暢先生をお招きして、わかりやすく講義していただきました。

 

 2011年の「東北地方太平洋沖地震」発生時のGPS観測による地殻変動の様子やプレート境界や海溝付近でどのような滑りが起きていたのかについて詳しく教えていただき、なぜ超巨大地震、大きな津波を引き起こしたのかを様々なデータから読み解きました。また、2016年の熊本での大地震の状況やその要因、長町ー利府線断層帯や蔵王での火山活動などについても科学的な観点から分析・解説していただきました。私たちの身近にある自然に関わる最先端の研究について理解できた、実に興味深い講義でした。
 生徒からの質問も活発に出され、講義が終わってからも個別にお話を聞きにくる生徒が多くみられました。

 【生徒の感想より】

◯ 地震のメカニズムについてわかった。特に断層がすべってどのように破壊が伝わるのかがよくわかった。また、3・11の地震や津波の特徴についてわかった。様々な観測機器を用いて地震が起こった時に調査して、次の地震の予測に利用されていることを知った。今までの多くのデータの積み重ねによって私達の安全が守られることがよくわかった。先生の講演は、身近な例をあげて頂いたり難しい現象を噛み砕いておはなししてくださったのでとてもわかりやすかった。地震についてとても興味が出たので、また機会があったらお話を聞きたいと思った。

◯ 地震の仕組みやそれぞれの地震の特徴などを詳しく知ることが出来た。自分が経験した大きな地震は今まで1回だけど、これからそれ以上の地震が起こる可能性があるということが分かった。日本は火山も多く、プレートがいくつか重なっているので地震が多いということが分かった。地震はとても身近な事だし、いつ起こるか分からないので今研究されてる技術で少しでも予知して対策出来ればいいと思った。

◯ 地震や噴火について大体、理解できました。まだ、理解不十分なところがあるので自分で調べていきたいと思います。

◯ 自分が知りたい分野ではないがとても楽しく聞くことができた。長町・利府断層があると言われて示された地図がちょうど自分の家のとこで怖いなと思いました。他に地震の周期や予想などプレートのことなど知ることができとても良かったです。

 

 

理数科2年次「施設見学会」 2019.10.18(金)

10月18日(金),理数科2年生の「施設見学会」が行われました。

午 前:東北大学金属材料研究所(仙台市青葉区)

午 後:東北大学電子光理学研究センター(仙台市太白区)

 

◯東北大学金属材料研究所
 今年度から初めて見学させていただくことになった施設です。

 「世界の金研」と呼ばれる,東北大学の中でも指折りの研究所で,世界中から研究者が集まります。大学の付属研究所としては非常に歴史があり,設置後100年以上経過している研究所です。金属だけにとどまらず,物質全般を理学や工学といった視点から多角的に研究しています。

 今回は,結晶成長,強磁場発生装置などの研究室を中心に見学させていただきました。また,今年度,猿橋賞(若手女性研究者の内,毎年一人だけが受賞できる賞)を受賞した梅津理恵准教授に講演していただきました。これからの将来を担う高校生に熱いメッセージをいただきました。

 そして,最後にはランチョンミーティングという,学会でも用いられる手法で大学院生や梅津准教授とのトークセッションを行いました。アプリを用いて質問事項などをあげ,それに答えていただきました。大学院での生活や受験に向けてなどなど,数多くの貴重な話を聞くことができました。

  

 

◯東北大学電子光理学研究センター
 昨年度より見学させていただいている施設です。放射光というとてもエネルギーの強い放射線を作り出す加速器を見学させていただきました。加速器は原子の中を「みる」ための,いわば顕微鏡のような役割をします。研究したい(みたい)対象物の大きさによって,必要なエネルギーが異なります。また,みたいものが小さければ小さいほど,加速器自体の大きさが大きくなっていきます。

 施設内では厳重にセキュリティ管理がなされるため,一人一人に入構証が渡され,施設の部屋ごとにバーコードを一人ずつ読み込みながら入室していきます。非常に大きな施設で,実験設備は地下にあります。様々な装置について詳細に教えていただきました。今はまだ難しい内容も多かったかも知れませんが,今後大学等へ進学し,このような研究に携わるようになる人が宮一理数科にもいるかもしれませんね。