2017年12月の記事一覧

理数科講演会(2年次)

 『なぜコンピュータは速いのか?~数学が支えるアルゴリズムのパワー~』
  講師:東北大学大学院情報科学研究科 准教授 伊藤健洋先生

 コンピュータの動作を決めている「アルゴリズム」は,計算機システムが正しく,高速に動作するための重要な鍵を握っています。本講義では,数学を道具として使うアルゴリズム開発の基礎理論から最先端の応用などの研究開発を紹介して下さいました。

2年次「理数科講演会」

 『なぜコンピュータは速いのか?~数学が支えるアルゴリズムのパワー~』
 (数学・情報分野)
 ●講師:東北大学大学院情報科学研究科 准教授 伊藤健洋先生

 コンピュータの動作を決定する「アルゴリズム」は、計算機システムが正しくかつ高速に動作するための重要な鍵を握っています。今回の講義では,数学を道具として使うアルゴリズム開発の基礎理論から最先端の応用などの研究開発を紹介して下さいました。
 講義の中では社会の様々な場で活用されている人工知能(AI)研究の状況、ビッグデータの活用など現代における多彩な問題についても詳しく説明していただき、gale-Shapleyアルゴリズムを適用して安定した「マッチング」を求める演習など実際に生徒が考えてみる時間もあり、楽しくかつ奥深い数学の世界にふれることができました。

 

【生徒の感想】
○「アルゴリズム」という言葉は何回か聞いたことがあったがその本質はわからないでいた。それは自律したコンピュータに含まれるもので、それがないとコンピュータは”置物化”するものだと知った。機械がテーブルゲームで人間に打ち勝ったことがあったが、人間がプレイするようなゲームは苦手とするのは、「東ロボくん」が国語・英語が苦手なのと同じで、常識が欠落しているからなのでは、と考えた。また、gale-shapleyのアルゴリズムは常に最適解を導き出すことも高校数学で証明されていて理解することができた。講義のタイトルは物理っぽくて自分には苦手な分野かと思ったが、スルスルと頭に入ってくる面白さがあった。(6組男子)
●アルゴリズムはコンピュータに命令を出すだけのイメージでしたが、マッチングなどの作業もすることができるのはとても驚きました。Gale-shapleyアルゴリズムは実際にやってみて楽しかったし、わかりやすかったです。数学の研究は何をしているのかあまり想像できなかったけれど、医師臨床研修マッチングなどに使われるような実用的でおもしろいものもあることを知ることができました。また、「正しさの証明」など、高校でやっている数学は社会でも役に立つ部分があることを知ることができてよかったです。(6組女子)

理数科講演会(1年次)

 『進化の島,冒険の島,闘いの島:海洋系の生態系』
  講師:東北大学東北アジア研究センター地域生態研究分野 教授 千葉聡先生

  千葉先生のご専門は動物生態学や保全生物学などで,様々な生態系において生物 
 多様性の創出,維持機構の解明という基礎研究や,生態系管理や外来種の影響緩和
 希少種保全という応用テーマに取り組まれています。今回は東洋のガラパゴスとい
 われる小笠原諸島の生態系についてお話して下さいました。

1年次「理数科講演会」

【講師】東北大学大学院理学研究科・理学部附属
     地震・噴火予知研究観測センター 教授 松澤 暢 先生
【演題】『地震と噴火-なぜ、どのようにして起こるのか-』

 12月4日(月)5・6校時に1年次生を対象にした「理数科講演会」を実施しまし
た。今回は社会的にも大きな関心を集めている地震・噴火のメカニズムについて専門的
に研究していらっしゃる東北大学の松澤暢先生をお招きして、わかりやすく講義してい
ただきました。
 平成23年の「東北地方太平洋沖地震」発生の原因から、昨年発生した熊本での大地
震の様子、また利府-長町活断層や蔵王での火山活動などについても科学的な観点から分析・解説していただきました。私たちの身近にある自然に関わる最先端の研究について理解できた、実に興味深い講義でした。
 生徒からの質問も活発に出され、講義が終わってからも個別にお話を聞きにくる生徒が多くみられました。

 【生徒の感想より】
 ○地震予知に関しては以前から興味があったが,今回の講演を聴いて予知の難しさ 
 を知ると同時に様々な分析の仕方があり,それらを組み合わされることで何が新し
 いことが見えてくるかもしれないと思い,とても興味深くなった。
 ○宮城に住んでいる私たちにとって,地震は当たり前に起こるもの・日常的にある
 ものとして過ごしていたが,今回の講演で改めて地震の正しい知識を身につけるこ
 とができた。(中略)そもそも,地震というのは急激なすべりによる地面(断層)の
 ずれで,テレビでよくみる地面がはねかえるというのではなく,どれくらいの大き
 さのものがどのくらいずれて進んだかが揺れに比例するということを理解した。また,「近い過去」に「繰り返し」「活動」していて将来も「活動」すると考えられる「活断層」が,自分の住んでいる地域にもあり驚いた。火山においては「噴火警戒レベル」によりどのくらいの人がどうやって避難すべきなのかを示すことで市民を危険から守ることができる。図を見ただけで,どの山がどうなっているのかを把握できる松澤暢先生は様々なものを見比べ研究し知識を深めていったのだと興味をもち,私も深く探っていき研究してみたいと思った。