2年次「理数科講演会」

 『なぜコンピュータは速いのか?~数学が支えるアルゴリズムのパワー~』
 (数学・情報分野)
 ●講師:東北大学大学院情報科学研究科 准教授 伊藤健洋先生

 コンピュータの動作を決定する「アルゴリズム」は、計算機システムが正しくかつ高速に動作するための重要な鍵を握っています。今回の講義では,数学を道具として使うアルゴリズム開発の基礎理論から最先端の応用などの研究開発を紹介して下さいました。
 講義の中では社会の様々な場で活用されている人工知能(AI)研究の状況、ビッグデータの活用など現代における多彩な問題についても詳しく説明していただき、gale-Shapleyアルゴリズムを適用して安定した「マッチング」を求める演習など実際に生徒が考えてみる時間もあり、楽しくかつ奥深い数学の世界にふれることができました。

 

【生徒の感想】
○「アルゴリズム」という言葉は何回か聞いたことがあったがその本質はわからないでいた。それは自律したコンピュータに含まれるもので、それがないとコンピュータは”置物化”するものだと知った。機械がテーブルゲームで人間に打ち勝ったことがあったが、人間がプレイするようなゲームは苦手とするのは、「東ロボくん」が国語・英語が苦手なのと同じで、常識が欠落しているからなのでは、と考えた。また、gale-shapleyのアルゴリズムは常に最適解を導き出すことも高校数学で証明されていて理解することができた。講義のタイトルは物理っぽくて自分には苦手な分野かと思ったが、スルスルと頭に入ってくる面白さがあった。(6組男子)
●アルゴリズムはコンピュータに命令を出すだけのイメージでしたが、マッチングなどの作業もすることができるのはとても驚きました。Gale-shapleyアルゴリズムは実際にやってみて楽しかったし、わかりやすかったです。数学の研究は何をしているのかあまり想像できなかったけれど、医師臨床研修マッチングなどに使われるような実用的でおもしろいものもあることを知ることができました。また、「正しさの証明」など、高校でやっている数学は社会でも役に立つ部分があることを知ることができてよかったです。(6組女子)