2018年12月の記事一覧

理数科2年次「理数科講演会」2018.12.7(金)

【演題】『なぜコンピュータは速いのか?~数学が支えるアルゴリズムのパワー~』
 (数学・情報分野)

【講師】東北大学大学院情報科学研究科 准教授 伊藤健洋先生

 コンピュータの動作を決定する「アルゴリズム」は、計算機システムが正しくかつ高速に動作するための重要な鍵を握っています。今回の講義では、数学を道具として使うアルゴリズム開発の基礎理論から最先端の応用などの研究開発を紹介して下さいました。

 

 

 

 

 

 


 講義の中では社会の様々な場で活用されている人工知能(AI)研究の状況、ビッグデータの活用など現代における多彩な問題についても詳しく説明していただき、gale-Shapleyアルゴリズムを適用して安定した「マッチング」を求める演習など実際に生徒が考えてみる時間もあり、楽しくかつ奥深い数学の世界にふれることができました。

 

【生徒の感想より】

〇ワトソンは人間よりも思考力も優れていると言うことに驚いた。知識が豊富であることは理解できるが,色々な記憶や知識を結びつけて考え,答えを導き出すことに関しても人間より早く処理しているというのはすごいと思う。私は大学でこの分野を学びたいと思っているので,今回はとてもためになった。人工知能やアルゴリズムに関する興味がより湧いてきて,もっと知りたいと思った。(6組・女子)

〇工学についてあまり興味がなかったが,先生のお話でどんなことをするのか知ることができたし,前よりも興味が持てた気がした。また大学の資料を見て「工学」というジャンルの中にも小さなジャンルや種類がたくさんあってびっくりした。アルゴリズムという言葉はNHKの番組でしか聞いたことがなくて初めて知ったが,分かりやすいゲームによって理解できたかなと思った。(7組・女子)

 

〇今まで「コンピュータの性能を良くする=スパコンを改良していく」ことだと思っていた。アルゴリズムという言葉はアルゴリズム体操でしかしらなかった。パズルが好きな私にとってよりよいアルゴリズムを見つけるという作業は聞いていてとてもわくわくする。今回の講義で工学部もおもしろそうだと思った。これまで学部名のみで興味がないと判断していたことも,しっかり一回は見てみようと思った。(7組・女子)

 

〇私はAIを勘違いしていた。全知全能で人間よりどの面でも優れていると思っていたから、AIについて漠然と怖いイメージを持っていた。しかし今回それが全くの誤解だったと気づいた。AIは計算や知識を問う問題には強いが,常識がなかったり,文脈が読めなかったりする。だからこそ難病を当てたりするなど常識に縛られないことが得意である。その点で人間と住み分けができるのだろうと思った。将来AIに仕事を奪われるなどと言われるが,それは全体的に正しいものではないと分かった。知らないということが多事に対して不安を感じさせてしまう。もう少し新しい技術などへの理解を深めていきたい。(7組・女子)

 

理数科1年次「理数科講演会」2018.12.5(水)

【講師】 東北大学大学院理学研究科・理学部附属
     地震・噴火予知研究観測センター 教授 松澤 暢 先生
【演題】 『地震と噴火-なぜ、どのようにして起こるのか-』 

 

12月5日(水)5・6校時に理数科1年次生(80名)を対象にした「理数科講演会」を実施しまし
た。今回は、今年も日本の各地で頻発し社会的にも大きな関心を集めた地震・噴火のメカニズムについて専門的
に研究していらっしゃる東北大学大学院理学研究科教授で地震・噴火予知研究観測センター長の松澤暢先生をお招きして、わかりやすく講義していただきました。

 

 

 

 


 

 

平成23年の「東北地方太平洋沖地震」発生の原因から、今年発生した北海道での、また一昨年発生した熊本での大地
震の状況やその要因、また利府-長町活断層や蔵王での火山活動などについても科学的な観点から分析・解説していただきました。私たちの身近にある自然に関わる最先端の研究について理解できた、実に興味深い講義でした。

 

 

 

 

 

 


 生徒からの質問も活発に出され、講義が終わってからも個別にお話を聞きにくる生徒が多くみられました。

 【生徒の感想より】
〇講義を通して私は地震に関して勘違いをしていることがよくわかりました。 「マグニチュードは場所によって変化しない電球のようなもので、震度は電球に照らされた机のようなもので場所によって変化するもの」などというたとえがあってとても分かりやすかったです。 また、『竹取物語』から富士山の噴火についてデータを調べた方がいらっしゃるというお話を聞いて、他分野のさまざまな知識から新しい研究が始まることあり、知識は研究をより良くするために必要不可欠なものであると思いました。 世界的にも国内でみても地震が多い場所にいる以上、身を守るためにも正しい情報で対策をとることが重要だと感じました。 今回はお忙しいところとてもためになる講義をしてくださりありがとうございました。
 

〇今回の講義では普段あまり触れることのない地学分野についてのものであった。 地震や火山は中学生の頃から興味があって意欲的に取り組むことができた。中学生の頃地震についてもっと深く知りたいと思っていたが、高校に入ってからは授業では触れられない分野であったので、話を聞いていてとても楽しかった。 私が特に興味を持った点は、GPS観測による本地震の地殻変動の映像である。震源からかなり遠く離れた地域も水平成分にズレが生じていることに映像を見て驚いた。今回は地学分野について多くのことを知る機会となったので、とても有意義であった。